東大戸小学校への派遣事業〜音を触る〜
6月27日芸術家の学校派遣事業として、香取市立東大戸小学校に伺いました。
今年度の学校派遣事業では、管楽器にスポットを当てた授業を多く展開しています。講師は、トランペット、ユーフォニアム、チューバ+打楽器などを基本として、管楽器の音の出る仕組みや音の高低についてを学びます。
そして、その一つに「“音”について学ぶ」という授業を行っています。
これは、普段は耳(聴覚)でしか捉えていない“音”を、目や手など五感を通して知覚してもらう内容で、音を文字通り「体感」することで音を身近に感じてもらおうという狙いがあります。
そこで大活躍するのがこれです。
わかりますか?ホースです。
ごく一般的なホースで、このホースも日用品店で購入しました。ホースの先には管楽器のベルのような形をしたじょうごをつけてあります。
そしてもう一方の先にトランペットの講師がマウスピースをつけて、音を出すと…
トランペットと同じような音が出ます!
そして、音が出た状態のホースを子供達に触ってもらいます。
この手で触った時に感じる「振動」こそ音の正体なのですが、音を触る体験というのは滅多にすることはないので、実際に触ってみるととても面白いようです。
実際に、音を手で触った子供達からは、自然と
「振動していた」
「手がビリビリした」
「高い音と低い音では振動の感じが違った」
といった、音の特性について表した言葉が次々と上がります。
そして、音が振動によって生まれることを体感した上で、上級生にはマウスピースを鳴らしてみてもらい、音が出たら、実際に楽器(トランペット)をつけてもらい、管楽器を体験してもらいます。
この時、すぐに音が出る生徒もいれば、なかなか音が出ない生徒もいるのですが、それぞれが金管楽器の音を出すことの面白さや難しさを感じてくれています。
小学校の授業でもリコーダーをはじめとした管楽器を扱いますが、曲などを練習することはあっても「音」時代に焦点を当てた授業はなかなか難しいという現状があります。
今回のような派遣事業での授業を通して、普段とは異なる視点から「音」を感じてもらい、それが音楽的体験として子供の記憶に残ることも、この時期の子供たちにとってとても貴重なことだと感じています。